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パキスタンでHorwinが1万台販売、電動二輪は燃料高を追い風に現地生産へ向かうのか

パキスタンでHorwinが1万台販売、電動二輪は燃料高を追い風に現地生産へ向かうのか

ニュースの概要

中国の電動バイクメーカーHorwin(ホーウィン)が、パキスタンで過去1年間に約1万台のe-Bikeを販売したと伝えられた。同社は販売の拡大にとどまらず、部品の調達網、技術、組み立てといった工程の現地化も検討しているという。将来は完全な現地生産に進む可能性もある。背景には、ガソリン価格の高止まりや、都市部での通勤・配送にかかる移動費の重さがあるとみられる。二輪車が生活の足である国で、電動モデルが「一部の好事家の乗り物」から「家計を守る選択肢」へ変わりつつあることを、この1万台という数字は示している。

引用元: 中国Horwin、パキスタンでe-Bike販売1万台を達成し現地生産を検討(DNA News)

分析・見解

1万台は小さな数字だが、意味は販売台数より大きい

パキスタンの二輪車市場は年間百万台規模とされ、大半は安価なガソリン車である。そこで1年に1万台という数字は、割合で見ればまだ1%前後にすぎない。それでも、完成車を輸入して売る新参ブランドが1年で1万台を積み上げた事実は軽くない。価格に敏感な市場で、買い手が電動車を実際に試す段階に入ったことを示すからだ。

さらに、1万台は「広告で話題になった」数字ではなく、「財布から代金が出た」数字である。補助金頼みの販売とは質が違う可能性がある。

燃料代と整備費の差が、買い替えの理由になる

電動二輪の強みは、1kmあたりの費用の低さである。ガソリン価格が上がるたびに、毎日バイクで通勤する人や、配送で稼ぐ人の負担は増す。たとえば1日100km走る配送ドライバーなら、燃料代の差は月単位で無視できない額になる。電気は家庭のコンセントで充電でき、エンジンオイルの交換も要らない。購入価格が高くても、数年使えば元が取れるという計算が成り立ちやすい。

ただし、電気料金の上昇や停電の多さは、この計算を狂わせる。充電が不安定な地域では、電動化の足かせが残る。

完成車の輸入から、現地組み立てへ進む順番

現地化の検討には、輸入にかかる関税や為替の負担を減らす狙いがある。東南アジアでも、中国メーカーはまず完成車で市場を開き、売れ行きを見て組み立て工場、次に部品調達へと広げてきた。工場への投資は、売れ続ける確証がなければ回収できないからだ。1万台は、その確証を探る最初の目安になる。

ただし「完全現地生産」までは遠い。電池セルやモーターなどの中核部品は、当面は中国からの輸入に頼るだろう。現地で進むのは、まず組み立てと一部の樹脂部品、車体部品とみるのが自然である。

勝負を分けるのは車体より電池と修理網だ

私は、この市場の勝敗を分けるのは車体の性能より、電池の保証と修理網だとみる。二輪車は街角の修理店に支えられた商品である。電池が弱ったとき、近所で診断でき、部品がすぐ届くか。ここを整えた会社は、値下げ競争に巻き込まれずに残れる。現地化の本当の価値は、工場そのものより「直せる体制」を手に入れることにある。

逆に、修理網のない輸入だけの会社は、故障の話が数件広まっただけで評判を落とす。二輪の購入者は口コミで動く。次の1万台は、最初の1万台の使い心地で決まる。

ビジネスへの影響

参入前に確かめたいのは販売台数より三つの数字

パキスタンで電動二輪に関わる事業者は、販売台数の伸びだけで判断しないほうがよい。確認したいのは、購入から数年使った場合の総支出(=総所有コスト)、電池の交換単価、そして充電できる場所の数である。この三つがそろえば、採算が見えやすくなる。現地の販売店への聞き取りや、公開されている電気料金表、輸入関税の資料でも確認できる。

入り口としては、個人向けより法人向けが現実的だ。宅配や配送の車両は走行距離が長く、燃料代との差を数字で説明しやすい。1台ずつ売るより、10台、50台とまとめて入れ替える提案のほうが、契約の手間も小さい。

提携先は、工場の大きさより修理網で選ぶ

部品供給や組み立てで協力先を探すなら、見るべきは工場の規模より、修理店のつながりと部品の流通力だ。既存の二輪ディーラーや整備事業者と組めば、電池診断の研修を加えるだけで電動対応に移れる場合もある。

中国メーカーが現地化に動けば、部品、物流、金融、保証サービスなどで周辺の仕事が生まれる。完成車を作らなくても、その周りで収益を得る道はある。

為替と電力の揺れを前提に、小さく始める

パキスタンは通貨安や輸入規制の変動が大きい。契約価格の決め方、部品在庫の厚み、太陽光を併設した充電拠点など、揺れを吸収する設計が要る。最初から大きな投資をせず、半年ごとに見直す段階投資が現実的だ。

日本の事業者にとっては、南アジアや東南アジアで電動二輪が先に広がる前提で、電池の管理、充電サービス、整備の標準化に居場所を探すのも一案である。

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